ニュースの概要
キリンホールディングス株式会社は、社内生産性向上と価値創造の加速を目的として、独自開発の生成AIツール「BuddyAI」を国内グループの約1万5,000人の従業員に向けて展開拡大。今後は各部門ごとに特化した機能を搭載し、AIエージェントの次フェーズ「BuddyAI for X(Marketing・Sales・R&Dなど)」へと進化させる方針です。
✅ リリース企業名:キリンホールディングス株式会社
ニュース内容
キリンホールディングス株式会社は2025年5月より、生成AIツール「BuddyAI」の全社展開を開始しました。「人がやらなくてよい仕事」をAIに任せることで、価値創造に資する時間を生み出すことを目的としており、国内グループ会社の対象従業員約1万5,000人へ導入範囲を拡大。年間で約31万時間の業務時間創出が見込まれています。
この取り組みは、2024年11月からマーケティング部門で導入された「BuddyAI for Marketing」の成功を受けたものです。同部門では当初想定の約29,000時間を上回る、約39,000時間の時間創出効果を達成。60%以上の高い利用率を誇り、プロンプトテンプレートも15種から100種超に拡充されています。
「BuddyAI」は、業務ごとの使いやすさを追求し、UI/UXの改善やプロンプトの最適化に加え、Eラーニングや「DX道場」といった教育施策を通じて、全従業員の活用スキル向上を図っています。
今後は「Select & Fit」構想のもと、部門ごとに必要な機能を柔軟に追加できる仕組みを導入。将来的には、自律的に業務を実行・報告する「Agentic AI」の実現も視野に入れています。
キリングループは「BuddyAI」の展開を通じて、ICTを活用したイノベーションを推進し、企業ビジョン「KV2027」に基づく持続的成長を目指します。
―「BuddyAI」部門別特化のイメージー

―「BuddyAI for Marketing」にプロンプトテンプレートの拡充事例―

出典
🔗 キリンホールディングス株式会社- キリングループの生成AIツール「BuddyAI」を国内従業員約1万5,000人に展開拡大、部門別特化に向けて次のフェーズに移行
🔗 https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2025/0512_03.html
AIVISOR編集部より
キリンの「BuddyAI」導入は、単なる業務効率化を超え、AIとの共創による“価値創出”という新たなフェーズに突入しています。特に注目すべきは、各部門の業務特性に最適化された「BuddyAI for X」の構想であり、これはAI導入における理想的なアプローチの一つです。
また、「Agentic AI」への展望は、今後の企業AI戦略における新基準を示すもので、AIが単なる補助ツールから業務推進の“自律的エージェント”へと進化していく過程を象徴しています。
同社のように、ツール展開だけでなく教育・研修の整備にも注力している点は、AI定着の成功例として他企業の参考となるはずです。デジタル変革を本気で目指す企業にとって、キリンの事例は一つの実践モデルと言えるでしょう。